8月度の修習技術者研修会を開催しました!!

みなさん、暑い日が続いていますが夏バテとかしていませんか?
修習技術者支援委員会では、この暑さにも負けず(多少負け気味ですが・・・)8月10日(土)に研修会を開催しましたので、その様子についてご紹介します。
今回は、「業務遂行能力」コミュニケーションに関する研修です。基本テーマは、「日常業務を通した解答を書く力のレベルアップ」ということで関心のある方が多く、会場16名、オンライン30名、計46名の方に参加いただきました。
今回ナビゲーターを務めるのは、修習委員4年目の松田(農業部門)です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

Part1 機械振興会館

まず、研修会場となっている機械振興会館についてご紹介します。
コロナ前はオンラインがなく会場参加のみでしたので、以前来られた方もおられると思いますが、会館は港区芝公園に位置する地上6階、地下3階のやや古びた建物になります。
会館には地下と5、6階に会議室があり、修習研修会では主に6階の会議室を利用しています。
なお、会館の2階には日本技術士会本部、4階には技術士試験センターが入居しています。

アクセスなど詳しくは以下のHPをご覧ください。         機械振興会館全景

https://www.jspmi.or.jp/kaigishitsu/

会館の向かい側には東京タワーが空高くそびえていますので、近隣の駅から徒歩で来られる時に道に迷うことはないと思います。ただし、どの駅からもそれなりの登り坂になっていますので、暑い日には会館到着時には汗だくになってしまいますので、お覚悟を!
会館前からは、東京タワーを見上げる格好になります。(左写真)

昼間の東京タワー   ライトアップされた東京タワー

ちなみに、冬季の研修会終了後(午後5時過ぎ)には赤々とライトアップされた東京タワーに出会うことができます。 (右写真は、今年1月研修会終了後)

Part2 研修会

【受 付】
12:30から、会場、オンラインとも本日参加される方の受付が開始されます。
今回の会場受付は、修習委員のT委員とK委員が担当しました。
急にカメラを向けたので、写真ではお二人とも“シャン”(真面目な顔)としていますが、参加者の皆様は満面の笑みでお迎えしてもらえます。                         K委員(左)とT委員(右)

【研修会開会】
13:00になり、修習委員O委員の司会により研修会の開会です。
研修時の注意事項、片岡委員長挨拶の後、いよいよ講演開始となります。
今回講師を務めて頂くのは、技術士(建設部門、総合技術監理部門)の資格も持っておられる有限会社ジェイタプコ代表の森谷 仁氏です。
森谷講師は、2003年4月に(有)ジェイタプコを設立し、建設コンサルタント・施工業者・プラントメーカー・物流会社・製造業の会社などで「わかりやすい文書の書き方」、「わかりやすい業務報告書の書き方」、「わかりやすい答案の書き方」を社員研修の形式で指導されています。

森谷講師

会場の様子

【研修会の内容】

【講 演】
森谷講師のご講演の内容を簡潔にまとめると以下のようになります。(資料は、転用禁止とのことですので、ここでは掲載いたしません)

1.技術者に必要な力とは?
技術士に必要なのは、「技術力」と「コミュニケーション力」であり、特に「コミュニケーション」では「伝える力」、「書く力」が必要
→ コミュニケーションとは、「業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントや ユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと」

2.内容が明確に伝わる技術文書を書く
内容が“明確に”伝わる技術文書を書くうえで理解すること(重要事項!!)
(1)技術文書の定義
・技術文書とは、日常業務の中で書くすべての技術文書の総称
(2)技術文書を書く目的
・技術文書の書き手からその読み手に内容を伝達するため
(3)「内容が伝わる」と「内容が“明確に” 伝わる」の違い

・二つの具体的事例を用いて、“明確に”の違いを説明

(4)内容が明確に伝わる技術文書とは
・内容は伝わるもののぼんやりしている文書ではなく、はっきりとした内容の技術文書のこと
(5)内容が明確に伝わる技術文書を書く理由
・内容の伝達を成立させるため(内容を伝達すること)

3.書き手と読み手の違いの認識
技術文書を書くこと=コミュニケーションの手段(内容の伝達)
・書き手と読み手が必ずいるので、その違いを認識する
→書き手は、「技術文書を書く人」、「読み手に伝える内容を細部まですべて知っている」、「技術文書に書いていないことも知っている」
→読み手は、「書き手が書いた技術文書を読む人」、「技術文書に書いてあること以外のことは知らない(技術文書に書いてあることしかわからない)」、「内容を知るためのものが書き手が書いた技術文書」、「読み手を限定する:内容に関する専門分野の知識を持っている人」

4.内容が明確に伝わる技術文書の書き方
内容が明確に伝わる技術文書とは、内容がぼんやりしているものではなく、内容が“明確に”伝わる(内容がはっきりしている)技術文書のこと
・書き方1:要点を冒頭に書く
・内容の要点が冒頭に書いてあるとそれがすぐにわかる
・内容の要点とは、「読み手がまず知りたいこと」と言い換えることができる
・会話を考えると「書き方1」の考え方が理解しやすい

5.“解答を書く力”のレベルアップ
・解答とは、問題を解いて答えを出すこと
・解答を書くこととは、「自分の考えを読み手に伝えること」と考えることもできる
・“解答を書く力”とは、“自分の考えを読み手に明確に伝える力”と言い換えることができ

・解答を書く力をレベルアップすることで自分の考えが明確に伝わる

6.日常業務の中で“解答を書く力”をレベルアップする方法
・日常業務の中で「書き方1:要点を冒頭に書く」をレベルアップすることで、“解答を書く力(自分の考えを読み手に明確に伝える力)”がレベルアップする
・会話の中でも“解答を書く力”がレベルアップする
・「書き方1:要点を冒頭に書く」を図形で考えると以下の図のようになる

「要点を冒頭に書く」のイメージ図

【休 憩】
約1時間50分の熱を帯びた講演が終わり、ようやく休憩に入りました。

※ 講演では、「分かりやすい文書の書き方」について、具体的事例を用いながら分かりやすい説明をしていただきました。
また、講演の途中には、しばしば講師から参加者(会場、オンライン)に意見を求める場面があり、参加者にとっては常に緊張感を持った講演になったようです。

7.演習

演習での質問内容

・注意事項
→解答の要点と要点の説明を明確に書く
→読み手から「なるほど!」と言ってもら
える解答の要点と要点の説明を書く

・添削の実施
→書き終わったら、ペアの相手の書いた解答を読み、「内容が明確に伝わるか、伝わらないか」に着目して解答を添削する
→ペアの相手に添削結果を伝える。修正が必要な場合には具体的な内容をアドバイスする。       注意事項に沿って解答作成中

※ 講演内容を念頭に置きつつ、参加者に演習を行っていただきました。
演習では、講師の質問に対して参加者自ら文章を作成(会場では手書き、オンラインではワードを使用)し、その後、2人もしくは3人一組となり、お互いの文章を添削してもらいました。
他人の文章を添削することで、自分では気付かない点の指摘を受けたり、また、自らも文章の改善点を見出すことができたと思います。

8.最後に(まとめ)
・技術文書を書くことはコミュニケーションの手段(内容の伝達が目的)
・読み手の存在の認識
・「書き方1:要点を冒頭に書く」を使って日常業務の中で技術文書を書くことが、“解 答を書く力”のレベルアップにつながる
→自分の考えが明確に伝わるようになる

【研修会閉会】
最後に、石川副委員長による閉会挨拶後、森谷講師を中心にオンライン参加者を含めた参加者(スタッフ含む)全員で記念写真を撮り、研修会を締めくくりました。

参加者全員での記念撮影(前列中央が森谷講師)

Part3 おわりに

技術士に限らず、分かりやすい文章を書くことは円滑に業務を進めるうえで大変重要である一方、誰にでも分かるように書くことは思ったよりも難しい面があり、誰もが苦労されていることだと思います。
今回の研修では、演習を通じてそれらを解決するための糸口を示していただきました。
森谷講師は、今回の研修をさらに充実させたセミナーを開催されているそうですので、今回の研修内容にご関心のある方やさらに詳しい説明を受けたい方は、是非セミナーの受講をご検討してみてください。

Part4 おまけ(情報交流会)

研修会終了後は、浜松町駅前にある某居酒屋において、会場参加者有志(森谷講師、スタッフ含め総勢18名)による情報交流会が開催されました。
研修会では聞けなかった話、現在携わっている業務の話、技術士二次試験の話など、あちこちで話に花が咲き、和気あいあいとした楽しく、かつ、貴重な時間となりました。

また、時を同じくして、オンラインでもオンライン参加者による情報交流会が開催されています。
こちらでは、盛り上げ役のI委員を中心に、研修会の感想・反省の後、自宅として購入した古民家の有効活用など自宅の自慢大会となり、賑やかな交流会となったようです。

                                                            本日の研修会に乾杯!

このブログをご覧になった皆様へ

今回の研修会の様子、いかがだったでしょうか?
専門分野も年齢も異なる技術者が集う修習研修会は、7月を除く毎月第2土曜日(諸事情により、たまに変わる時があります)に開催されています。今後開催予定の研修会(次回は9/14)へのご参加と併せて、是非、情報交流会へもご参加ください。(希望すれば、チョコレートパフェの注文もOKのようです)
皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしています。

以上、修習委員の松田がお届けしました。