みなさま、こんにちは!
修習技術者支援委員会の築城です。
今回の課題は「業務遂行能力」で、技術業務向上のためのプロジェクトマネジメント講座でした。講師は清田 守先生(筑波大学グローバル教育院元教授、現非常勤講師、千葉工業大学社会システム科学部プロジェクトマネジメント学科非常勤講師、博士(工学)、米国PMI認定PMP、ファイナンシャルプランナー)です。
本研修会は、機械振興会館の会場参加とオンラインの会場参加のハイブリッドで運営し、
参加人数は会場参加者が18名、WEB参加者は30名と大盛況でした。
研修会の終了後、先生からのご厚意で、7つの「PMツール」と参考資料「会議運営マニュアル」が配られました。参加者が自分で使うのは良いですが、他への配布は禁止です。
会場の様子
司会者:修習技術者支援委員会 新海委員補佐
1.開会挨拶
始めに修習技術者支援委員会の片岡委員長より挨拶を頂きました。
本日は業務遂行能力の中でも重要なテーマであります、プロジェクトマネジメントです。
プロジェクトというのは、その成功・失敗が社運を左右するようなものだけではなく、日常業務のほとんどが該当します。今回は清田先生の企業や大学で豊富な経験を基に、前半はご講義をいただき、後半は日常イベントについて、プロジェクトマネジメントを実践します。
特に、グループワークでは、専門分野や立場、所属している会社が異なるといった、日常業務とは違う雰囲気の中での実践により、新たな視点が得られると思います。
片岡委員長挨拶
2.講演「業務遂行能力」向上のためのプロジェクトマネジメント講座
続いて清田先生のご講演が行われました。
清田先生のご講演
3.清田先生のご講演内容
- ご講演は、突然キノコクイズ(なんで?)・・・・から始まりました。
そして自己紹介の後、プロジェクトマネジメントについて説明されました。要点は・・
1.プロジェクトマネジメントは難しくない
①プロジェクトについて(PMBOKの定義を基に)
・開始時点と終結時点=有期性がある。
・目標とする成果物やサービスに独自性がある。
②プロジェクトマネジメントについて
・プロジェクトの目的/目標/範囲を明確にする。
・ツールを活用して明確な管理をする。(計画/誰が何をやる/コスト/リスク管理の視点で管理して、あいまいさを排除する)
・プロジェクトを着実に推進する活動行為である。
③プロジェクトの簡易プロセスについて
プロジェクトの立ち上げ⇒計画⇒実行⇒監視コントロール⇒終結
先生のご説明により理解できたような気がしますが、本当に理解するには時間がかかりますよね。そこで先生は、仕事でも私生活でもありうるプロジェクト=仮想事例を基に、わかりやすく説明されグループワーク=実践をあわせて、皆さんの理解を深めました。
事例は★仮想キノコ狩りプロジェクト・・・・(これか!)でした。これを聞いて、ようやくプロジェクトマネジメントに対する理解が深まりました。
そして、グループワーク1で、仮想キノコ狩りプロジェクトで最悪のケースを防ぐために何をどうすればよいか?考えられる手段や手法をまとめる=実践のご指示がありました。
続いて・・・・・
2.目的目標設定と技術者地位向上について
プロジェクトの目的目標明確化については、アポロ計画や本庶祐先生の事例を基に、技術者地位向上については、病院の情報管理システムに関する訴訟事例を基に説明されました。
そして、グループワーク2で、プロジェクトオーナーの無理な要求に対処するためにプロジェクトマネージャーはどのような対応をするべきか?具体的な対策対応(できれば過去の事例)をあげる=実践のご指示がありました。
さらに・・・・・
4.コミュニケーションの重要性について
簡素化したプロジェクトマネジメントプロセスや意思決定のプロセスなど、プロジェクトマネージャーに求められる会議のファシリテーション手法について説明されました。
そして、グループワーク3で、会議(特に意思決定会議)を適切に進めるには、どのような会議運営を心がければよいと思うか?(できれば失敗事例や仮想の会議事例があればなおよい)=実践のご指示がありました。
- ご講演後の実践
実践=ワーク1~3の中から一つを選び、グループごとにまとめた内容を発表しました。
Aグループ Bグループ
Cグループ Dグループ
Eグループ Fグループ
Gグループ Hグループ
Iグループ
以上9グループの発表がおわり、それに対する質疑・回答を行いました。
特にワーク1では、リスク管理とその役割分担が大切です、ワーク2では、時にはプロジェクトの中断も必要なのでは、ワーク3では、会議を円滑に進めるために時間厳守とファシリテータの役割が重要です、など活発な議論が目立ち、修習技術者間での実践(ワークと意見の集約、発表、質疑応答、振り返り)による、業務遂行能力の向上を感じました。
5.おわりに
清田先生より、まとめをいただきました。
その内容は、グループワーク1は、最悪のケースを防ぐためのリスク管理の重要性、グループワーク2は、時には勇気をもってプロジェクトを中断する事の重要性、グループワーク3は、プロジェクトマネジメントの視点での会議運用の重要なポイントとプロジェクトマネージャーに求められる役割、です。
6.閉会挨拶
修習技術者支援委員の名平副委員長より挨拶を頂きました。
長時間の研修お疲れ様でした、本日はわかりやすく身近に感じる研修会でした。
プロジェクトマネジメントは、技術士に求められるコンピテンシーの要素(コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメントなど)とも言えます。参加者の皆様、今後もプロジェクトマネジメントを実践しながら修習活動を続けていただきたいと思います。
名平副委員長挨拶
7.研修会終了後
研修会終了後、参加者全員で集合写真を撮りました。
その後、WEB参加者はオンライン交流会、会場参加者は懇親会を行いました。
研修会後の集合写真
懇親会状況
8.ブログ後記
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本研修会は、日常業務の小さなことからプロジェクトマネジメントを実践して振り返り、業務遂行能力と技術士に求められるコンピテンシーを向上させていく良い機会になりました。
皆様もこの研修会で得られたことを、業務遂行能力の向上に役立てて頂ければと思います。
また、研修会後に配布されたPMツールは本当によくできています。すぐに活用できるように先生にて工夫いただいております。(私もさっそく活用を始めました)
さらに「会議運営マニュアル」はまさしく一品です!会議=プロジェクトマネジメントです。日頃の会議も活用して、PM力を磨きたいと思います。
修習技術者支援委員会では、来月以降の研修会も充実した内容をそろえておりますので、是非ご参加ください。どうぞよろしくお願い致します。