10月度修習技術者研修会の開催報告

10月17日(土)に、WEBによる10月度修習技術者研修会を実施しました。感想を交えつつ、研修会の報告をさせていただきたいと思います。

10月度の課題は「行動原則:技術者倫理講座(1)」です。今回は、講演にて個人情報保護等の法律の現状および未来を知り、今後、急速に広がっていくことが予測されるAI社会におけるプライバシーの在り方に関する理解を深め、グループ討議を通して、技術者としての倫理意識の向上に役立てていただこうというものです。

司会者より本日のスケジュール説明

(1)阿部委員長より挨拶
この研修会は、CPD(Continuing Professional Development:継続研鑚)プログラムレベルだと考えてください。技術士は、自己研鑚に努めることが求められますが、「成果(outcome)」が最重要であり、“本研修会では、講演を踏まえてディスカッションし、グループ発表することがアウトカムになる”とお話しされました。

委員長より開会挨拶

(2)山本先生の講演
慶応義塾大学大学院法務研究科の山本龍彦教授より、プロファイリングに関する問題提起についてのご講演でした。
プロファイリングがプライバシー権に与える影響についての過去の事件(ターゲット事件、リクナビ事件等)の説明、平等、民主主義への影響などのお話はとても興味深かったです。プライバシー権論、日本とEUの法制度、今後のAI、DX(デジタルトランスフォーメーション)社会でのプロファイリング利活用についての山本先生のお考えを説明していただきました。

山本先生のご講演

(3)グループ討議と発表
グループ討議の課題は、「プロファイリングにおける課題と対策を検討する」です。A~Eの5つのグループに分かれてディスカッションした結果を、それぞれ3分程度で発表していただきました。

グループ討議の課題

限られた時間の中でしたが、各班の発表はとても分かりやすくまとまっていました。今回の講演内容や課題は難しいと感じていましたが、生活に結びつくような身近なものにおいて考えられていて、参加者の皆さんの理解力が高いことが感じられる発表で、大変勉強になりました。さすがは技術士、技術士を目指す方たちです。

Bグループの発表資料

(4)山本先生の総評
各班の総評をしていただく中で、先生自身が大変勉強になったというお言葉があり、今回のような議論の場は非常に重要だとのご意見をいただきました。
先生のお話しは、とてもわかりやすく、よくわかる内容でした。研修のなかで、「気づきをしていただけると、今回お話しした意味がある」とおっしゃられていましたが、今回の研修会をとおして、気づきの大切さを感じました。

(5)島崎副委員長より挨拶
ご挨拶のなかで、発表方法について触れられていました。今回のグループ発表では、議論する時間に対して、発表時間は短く設定されていました。このような場合には、発表内容だけではなく、発表資料の作り方も重要であるとお話しされていました。特にBグループの資料は、紐づけや色の使い分けなどにより、ひと目でわかるようになっていたことが大変良かったと述べられました。

副委員長より講評とまとめ

修習技術者支援委員会 委員補佐  川崎 靖子