2023年10月度修習技術者研修会

みなさん、こんにちは!委員補佐の小林賢史です!2023年10月14日(土)に行われた研修会は『キャリアプラン・セミナープロフェッショナルエンジニアになる道筋を設計してみよう』です!修習技術者および技術士の合計31名が参加されましたのでご紹介します。

1.開催

前野委員の司会進行で研修会は進みました。初めてとは思えない落ち着いた司会進行でした!

司会進行 前野委員

2.講演

本研修ではグループワークおよび発表がメインでありました。最初の30分間、本委員会の副委員長である石川講師からご自身の経歴、技術士二次試験の制度の紹介がありました。今回のグループワークは、これまでにないユニークな方法でした。自分自身のキャリアプランを考えるのではなく、仮想の技術者のキャリアプランをグループで考え、技術者本人にキャリアプランを提案する、という方法です。モデルケースとして以下の事例の紹介がありました。仮想ではありますが、すべて石川副委員長のお知り合いの実際にいる方をモデルに考えられたそうです。20代から60代までの5つのモデルですが私も本当に存在するように感じ、検討に熱が入ります。

石川講師

モデルケース①

大学を応用化学専攻で卒業。JABEE 修了。最初の会社は営業で3年在籍。転職して、自治体の水道局で水質担当2 年目。二次は、化学部門で受けたいと思っている。技術士補で登録できないか。20代男性。

モデルケース②

大学院を機械工学専攻で修了。食品メーカーの包材部で、パッケージの研究開発に4 年従事した。部署替えで最近課長になり、マネジメントを任されている。技術士は取りたいが、要件を満たすか、どの専門分野にするか分からない。一次、JABEE は取っていない。30代男性。

モデルケース③

大学は理学部の物理専攻で卒業。仕事は民間コンピュータ会社の研究開発を15 年、現在プログラマーが主。一次は化学部門で取った。二次は化学部門か応用理学部門か、迷っている。40代女性。

モデルケース④

大学の農学部を農業土木専攻で卒業。自治体の地方事務所で都市計画の現場指導を20 年。管理職になって現場を離れ5年以上経つ。定年前に技術士を取っておきたいが、部門をどうするか検討中。一次は受験していない。50 代男性。

モデルケース⑤

大学院で電子工学専攻を修士修了。電気メーカーで製造現場を30 年。特許出願・論文も数件出し博士号を得た。技師長で会社を定年退職したが、自営でコンサルをやりたい。一次は受験していない。60 代男性。

3.グループワークの準備

本研修のグループディスカッションではこれらのケースから1つ選択し、どういうIPD 期間の修習をアドバイスするか、という視点で議論いただきました。具体的には以下のような流れで議論を進めていただきました。

ワーク1:

IPD活動でPCを習得強化する際に、自身が最も重要と考えるコンピテンシーを1つ選んで討論する。

ワーク2:

ケース①~⑤のうち1つを選び、ケース内の修習技術者がコンピテンシーを強化させて今後のキャリア形成に役立てるよう、以下の内容を討論する。

・得られたGA これから必要と考えるGA

・得られたPC これから必要と考えるPC・コンピテンシー

・強化すべきコンピテンシーは何か

ワーク3:

コンピテンシー強化のためのPDCAサイクルのシナリオと、技術士取得後のキャリア推奨を1つ作成して発表シートにまとめる。

4.グループワーク及び発表

グループワークではこれまでの経歴を示す短いケース文から、この人の目指す方向をグループで考えながら、何がもっともこの人にふさわしいかを議論しました。

A班は修習技術者4名、技術士2名で議論を行いました。

A班グループワーク

B班は修習技術者4名、技術士1名で議論を行いました。

B班グループワーク

C班は修習技術者2名、技術士2名、一般参加者1名で議論を行いました。

C班グループワーク

D班は修習技術者5名で議論を行いました。

D班グループワーク

E班は修習技術者5名で議論を行いました。

E班グループワーク

F班は修習技術者4名、技術士1名で議論を行いました。

F班グループワーク

グループでの討論が終わった後、討論した内容をAグループから順番に発表いただき、他のグループから質問を受けるなどして活発に議論いただきました。発表後、石川講師から講評をいただきました。「ケース①から⑤は架空のケースではあるが、過去にも似たケースがあった。それぞれどのようなアプローチをしたらよいのか迷ったのではないか。各自それぞれの考えは異なり、アプローチも異なります。他人にアドバイスをするときには、自分も真剣に考え助言をして頂きたい。白熱した議論をしていただき、ありがとうございました。」 以上をもって、グループワークは終了しました。

5.閉会挨拶

最後に名平副委員長より閉会の挨拶をいただいています。「長時間の研修、お疲れ様でした。今日は特に技術士のコンピテンシーに関しより深く議論できたのではないでしょうか。後半のグループワークでは、実際のケース①から⑤で他の方の事例を取り上げてコンピテンシーについてPDCAを考えていただきました。ぜひとも持ち帰っていただき、ご自身のケースに当てはめてPDCAを考えていただきたい。」以上で本研修会は終了しました。

名平副委員長

6.最後に

最後に私の所見を述べさせていただきます。本研修会は自分自身のキャリアプランを考える、という内容ではなく他の修習技術者のキャリアプランを考えてアドバイスするといった内容でした。私たちも技術士になったら、クライアントがいてキャリアに関する相談を受けて適切な助言をするなどの場面に遭遇することも考えられます。そのためにも、修習技術者の段階で今回の研修を通すなどして研鑽を積み、能力を向上させることが必要だと感じました。将来、他の技術者に適切なアドバイスができるような技術士を目指したいと改めて感じました。

以上