みなさん、こんにちは!
近畿本部 修習技術者支援委員会 委員長の河野です。
11/13(土)、第21回修習技術者発表研究年次大会が統括本部、近畿・中部・中国本部合同で開催されました。
今年度から、各地域本部も持ち回りで企画・運営をすることとなり、今回は近畿本部が担当です。
今回は、統括本部、近畿本部代表のとっても優秀な発表をしてこられた修習技術者4名から発表いただきました。各発表について評価をさせていただき、最優秀者を決定する大会です。
評価の着目点は以下の6つです。
- 発表時間
- 聞きやすさ
- パワーポイントの見やすさ
- 聞き手の判りやすさ
- 質問の対応
- 技術士に求められる資質能力
本大会の発表・講評は、技術士に求められるコミュニケーション能力を中心に参考にしていただけたら幸いです。
さて、弦巻委員司会のもと、修習技術者発表研究年次大会は幕開けです。
1.開会挨拶
まずは、委員長 河野から開会の挨拶をさせていただきました。
「コミュニケーション」は、相手の聞きたいこと、知りたいことを理解して、キャッチボールのできる会話力が必要。自分の伝えたいことだけを伝えるのではなく、相手の知りたいこと、興味のあること、困っていることなどに焦点を当てて伝えることが相手の満足度を高める。
技術士には最低限、8つのコンピテンシーが必要で、修習技術者の皆さんは技術士を目指して、これから「技術士としてのコンピテンシーを備えているかどうか」に着目され、評価されることに挑む。今日、私達が発表者の皆さんから聞きたいと思うこと、感じ取りたいと思うことは何か。コミュニケーション能力研鑽の機会として、本大会が修習技術者皆さんのお役に立つことができれば幸いです。
2.修習技術者 発表
続いて、参加者の皆さんへのお願い事項を説明のあと、修習技術者の発表が始まりました。
発表① 「EMC認証プロセス改善」 藤森 賢人 氏(統括本部代表、電気電子)
藤森さんからは、経験業務であるプリンタ機器のENC認可取得に向けた計画、分析、試験及び評価について発表いただきました。
まずはEMC認証についての説明があり、続いて業務の背景、目的と役割、課題と問題点を明確にされたあと、課題を解決するために実施した内容、評価結果が私たちに伝わってきました。
発表② 「液状ゴム計量・投入装置の開発」 野口 賢晃 氏(統括本部代表、応用理学)
野口さんは、タイヤ製造設備の開発に従事されており、液状のゴムをミキサーへ投入する装置の開発について発表いただきました。
技術的な問題点と課題は大変興味深く、反省点から次はこうする!といった内容がきちんと盛り込まれた内容でした。
発表③ 「研究開発職で経験を積んだ私が海外の製造工場で学んだこと」
朝河 孝元 氏(近畿本部代表、金属)
次は近畿本部代表、朝河さんです。東南アジアの工場に出向し、アルマイト表面処理設備の改善と現地技術者の教育に従事された際の苦労した点、特に、現地技術者の特性を理解したリーダーシップ、マネジメントの様子が伝わってきました。
問題点とその原因、分析、実施内容について説明したパワーポイントは、図などをうまく使ってたいへん見やすかったです。
発表④ 「誠実・挑戦・即実行-技術者の減少に対応した省力化工法の開発-」
長尾 達彦 氏(近畿本部代表、建設)
最後の発表は、長尾さんです。シックボード工法の課題に着目し、新たなシックボードT工法の開発の取り組みを発表いただきました。3DCADの活用に挑戦し、思いついたことを即実行した様子や、次に狙うことが伝わってきました。
3.表彰&講評
さて、委員それぞれの評価を集計し、最優秀賞者の発表です。
今回の発表では、僅差で朝河 孝元さんが最優秀賞と決定!
パワーポイントも見やすく、質疑応答でも大変しっかりと私たちに伝わったこと、「専門的学識」「問題解決」「評価」はしっかりと伝える発表が総じて多い中、技術士のコンピテンシーが発表に盛り込まれていたことなどが高評価につながったと思います。
朝河さん、おめでとう!
続いて、統括本部修習技術者支援委員会 阿部委員長からは、良かった点、見直したほうが良い点など、発表者一人ひとりについて公表がありました。
今年も全体的にレベルが高かったと思います。特に朝河さんは、なぜ、コンピテンシーを実装して業務を遂行しなければならないのか、自分なりに解釈しているなと感じる内容でした。他の方も良かったのですが、不足している説明があると感じました。コミュニケーション不足から倫理的配慮不足など、お客様への説明が足りない場合に問題になることもあります。コンピテンシーとは専門技術能力と汎用的能力の結集です。コンピテンシーを分割して考えるのではなく、全てつながっていると考えて今後も努力してください。
そして私、近畿本部修習技術者支援委員会の河野からは、前述にもありますが以下の内容についてお伝えしました。
・技術士のコンピテンシー「専門的学識」「問題解決」「評価」はしっかりと伝わるが、「コ
ミュニケーション」「リーダーシップ」が伝わりにくい発表が比較的多い
・「マネジメント」「コミュニケーション」「リーダーシップ」が不足=「技術士」ではなく
「専門技術者」
最後にもうひとつ追記したいと思います。
評価の結果、パーフェクトに良い場合もあるとは思いますが、次に活かすための反省点も挙げられると、技術者(技術士)としてより信頼を獲得できそうです。
4.閉会挨拶
最後になりました。近畿本部 修習技術者支援委員会 天野 武日古副委員長から閉会の挨拶です。
この度、阿部委員長の肝いりで行われました全国規模での年次大会は、東北、中部、中国本部のご協力を得て、近畿本部が2回目の主管で行いました。今回は4名の発表者のご発表いただき、統括と近畿本部の委員が所定の評価基準に基づき評価・査定させていただき、講評をご本人に伝えましたことは意義深い成果があったと自負いたします。
今後も地域連携を深め、共同開催を推進して、全地域本部にも拡大できますよう皆様のご支援とご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
以上
近畿本部 修習技術者支援委員会 委員長 河野 千代