みなさん、こんにちは!
修習技術者支援委員会 委員の永澤です。
私の住む仙台市は鈴虫の鳴く秋らしい季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
8/20(土)に、8月度の修習技術者研修会をオンラインで開催しました。
今回は、3つの修習技術者に求められる基本修習課題のうち「業務遂行能力」のコミュニケーションについて、グループワークを通し理解・資質向上を図りました。
日々の業務若しくは業務外の活動では、様々な考えや性格の方々とご一緒することになります。場合によっては、苦手とされるかたと力を合わせて議論や作業を進めなければいけません。本研修会ではそのようなときでも、ポジティブな心持ちでコミュニケーションを取れるようにする方法について、実践(グループワーク)を通して学びました。
講師は、印象エキスパート株式会社 代表取締役の柳沼 佐千子 先生です。柳沼先生には、数年前よりコミュニケーションに関する研修をお願いしています。笑顔が素敵な先生で、受講生の方々は毎回楽しんでグループワークに取り組んでいらっしゃいます。今回の研修は前回の内容からアレンジを行い、例年とは違う内容を盛り込んでいるとのことで、私自身もどんな内容かとても興味を持ちながら参加しました。
1. 開会挨拶
本委員会 杉山委員の司会のもと、阿部委員長の挨拶で研修会の開始です。いつもの研修会は日本技術士会らしく、リスクマネジメントや技術者倫理など難しい内容を扱いますが、今回は「良い印象を与える会話術」ということもあり、阿部委員長の表情が普段よりも和やかに見えました。阿部委員長の挨拶のとおり、日常的に扱う内容から仕方のない点はありますが、技術者は表情が固くなりがちです。今回の研修を経て、コミュニケーションを取りやすくすることで、円滑な業務推進にもつながると思います。
本委員会 阿部委員長
2. 講義とグループワーク
続いて、杉山委員よりWeb研修の注意事項について説明を行った後、柳沼先生の講義が始まりました。明るい表情と声のトーンが特徴的で、開始直後から期待が膨らみます。
柳沼先生が自己紹介された後、実際の講義に入ります。一番はじめに会ったときの笑顔により、人間関係の出だしにものすごく影響するとのことから、いかに第一印象が大事かご説明いただきました。
柳沼 佐千子 先生
その後、参加者間の自己紹介を兼ねつつ、まずは自己分析を行う(深層心理を知る)ということで、1回目のグループワークがスタートしました。トピックは、「好きな人・好ましい人・話しやすい人」と「苦手な人」はどんな人か?です。私はファシリテータとして参加し、各受講生の方々がどんな意見をお持ちか、耳を傾けていました。好きな人や好ましい人は話をよく聞いてくれる人、穏やかな人、苦手な人は圧が強い人など様々でした。1回目のグループワーク後に柳沼先生より、苦手な人については、自分と同じ嫌な面を持っているとのお話がありました。私の場合、細かい指摘をする性格の人は苦手と感じていましたが、私自身も細かいところを気にする部分がありましたので、とても腑に落ちました。この気づきを得ることで、嫌な気持ちを消すことが可能とのアドバイスから大きな学びになりました。
上記のように今回の研修会は、一つのトピックについて柳沼先生より講義を行っていただいた後、グループワークに即切り替え議論や実践を通して学ぶというスタイルでした。具体的には、講義→グループワーク→講義→グループワーク→講義…の流れです。受講生の様子について、はじめのグループワークでは緊張と恥ずかしさから固い面持ちでしたが、ファシリテータ役として冗談を交えつつグループワークを進めることで、明るい表情にどんどん変わっていくことが分かりました。
特に大きな盛り上がりを見せ、受講生の皆様が心を開いてくださったと感じた講義内容が、笑顔の作り方についてです。口元と頬、目を意識することで笑顔が変わるとのことで、グループワークの中で5回練習を行いました。私の「両手をグーにしてください。さんはい、にこっ!!」の掛け声とともに、受講生の溢れんばかりの笑顔が画面いっぱいに広がります。また、終業時の挨拶である「お先に失礼します」の前後に笑顔を挟む、「サンドイッチの笑顔」は、挨拶をする方もされる方もお互いに気持ちが明るくなるように感じます。
グループワークにおける笑顔の練習
さらに、今回は新たな講義内容とのことで、「声のトーン」についてもご説明いただきました。高めのトーンでお話することによりかなり好印象になるとのことで、高めの声と低めの声で印象が全く異なることを、柳沼先生の実演からよく理解できました。また、例えば電話応対で、高めのトーンから徐々に下げていく方法は、柳沼先生がアナウンサーをされていたときのトレーニングということから、プロの技術に裏打ちされたものととても納得できました。
この高めのトーンでお話する技術は、先述の「お先に失礼します」や別のグループワークで取り組んだ「デートの誘い」にも使えて、万能技術のように感じました。
3. 各グループ代表による気づきのシェア
講義とグループワークの最後に、本日の研修を通して気づいたことや感想などを、各グループの代表者に発表していただきました。具体的には下記のコメントがありました。特に声のトーンについて、新たな気づきがあったとのコメントが多く寄せられました。
・話を途中で遮らずに、最後まで聴くようにする
・相手に選択肢を与えて円滑なコミュニケーションにつなげる
・相手の気持ちを良くして仕事をする意識づけになった
・今後お客様や社内関係者に対して、研修で習ったことを生かしたい
・コロナ禍なのでマスク着用で表情が見えないので、声の抑揚をつけて周囲の人と良い関係を構築したい
・声のトーンを普段意識していなかったので、今まで無意識にやってきたことを少しずつトレーニングして変えていきたい
・電話応対時のように、声のトーンをだんだん下げるやり方は、実践していきたい
4. 講師からのコメントと参加者全員の笑顔撮影
下記の柳沼先生のお話から、まずはやってみることが重要と改めて感じました。会社の中でいきなり実行するのはなかなかハードルが高い場合には、まずは身近な人に対してやってみることでも全然違うように思います。実践あるのみです。柳沼先生の著書を読み返してみたいと思います。
「相手から好かれる状況にすれば、物事はうまく進みます。テクニックでカバーできるので、実践していただきたいと思います。今まで知らなかったテクニックや理屈を理解しただけでは不十分であり、繰り返しやらないと「筋肉」はつきません。本当にやる、やらないで大きな違いが出てきます。ただすぐ実行するだけで成功者に近づき、道は開けていきます。まずは家族に対してでも良いので試してみてください。」
先生のコメントの後、参加者全員で飛び切りの笑顔をスクリーンショットに収めました。良い思い出になったと思います。
参加者全員の笑顔
5. 閉会挨拶と本委員会の案内
片岡副委員長より、「今日学んだことを実践することが最大のポイントです。」との挨拶がありました。その後、本委員会の活動内容とプロフェッショナルコンピテンシーについてお話がありました。来月も研修会がありますので、引き続きご参加いただけると幸いです。
本委員会 片岡副委員長
6. 修習技術者発表研究会からのお知らせ
今回は開催がありませんでしたが、研修会終了後に修習技術者発表研究会が行われる場合があります。主に修習技術者を対象に、ご自身の専門技術に関する内容をテーマとした発表会であり、プレゼンテーション能力の向上を図っていただく場です。発表前後には本委員会の技術士による助言やフォローがあるため、効果的な経験業務の棚卸や人脈の構築(メンターとの出会い)にも役立ちます。私も2度発表を行い、専門外の技術者へ分かりやすく伝える発表の仕方を身に付けられました。研修会に加え、この場で発表することで、コンピテンシーの理解と向上は劇的に変わります。ぜひ一度ご相談ください!
修習技術者発表研究会からのお知らせ
以 上
修習技術者支援委員会 委員 永澤 一也