2021年8月度修習技術者研修会 開催報告

みなさん、こんにちは!
修習技術者支援委員会 委員補佐の葛西です。

8/14(土)に、8月度の修習技術者研修会をオンラインで開催しました。
今回は技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)や、技術者倫理の理解を深めるための研修内容です。

1. 開会挨拶
本委員会 安藤委員の司会・進行のもと、阿部委員長の挨拶で研修会が始まりました。阿部委員長から参加者に対して今回の研修の二つの心構えのお話がありました、
一つはこの研修は7つ+1つの、技術者に必要な資質能力(コンピテンシー)すべてを含んでいるため、それぞれが何に該当するかを意識して受講することです。
二つ目に継続研鑽は自ら行う事が重要であること、昨今OJTを継続できない企業もあるなかで与えられたことだけを学ぶのではなく、講師のお話を自らで感じ取って学んでほしいということです。技術者に必要な7つの資質能力の重要性と8つの目の資質能力である継続研鑽の重要性をこの研修を通じて学んでほしいとのことでした。


阿部委員長による開会挨拶

2. 講演
続いて、安藤委員から本研修の注意事項の説明があり、中里講師のご講演が始まりました。今回の研修では、東日本大震災という近年では経験のない大災害で発生した事例を分析された結果を、技術者倫理をテーマにとても分かりやすくご説明をいただきました。

事例分析する際には失敗事例ばかり追求するのではなく、成功事例も合わせて分析することで、想定外のケースにも対応できる「強靭性(レジリエンス)」を見出すことができるというご説明もいただきました。日常の業務では失敗事例ばかりを追求しがちな私ですが、このようなアドバイスをいただきましたので、今後トラブル発生時には、失敗事例成功事例の両面を分析するように心がけたいと思います。

中里講師のご講演

中里講師は、専門性が高い内容を各専門分野の修習技術者に対して、共通で認識できるポイントとしてまとめていただき、とても分かりやすくご説明を頂きました。技術士として「むつかしい話を皆に分かりやすく」説明するお手本のような研修であり、私は中里講師のような話し方はとても勉強になりました。

3. グループディスカッション
研修のあと、7つのグループに分かれ、中里講師より与えられた2つのテーマについて、グループディスカッションが始まりました。一つは「技術継承」もう一つは「危機管理」です。各グループはどちらかテーマを選択して取り組みました。

私もA班のグループに入り、A班の皆さんとディスカッションしました。A班は三村委員のファシリテータのもと、「技術継承」に取り組みました。ディスカッションの時間は約1時間です。発表者、書記、タイムキーパ、質疑対応の分担はいたしますが、全員でディスカッションします。初めはみなさん初対面ですので遠慮気味でしたが、議論が展開するとWebであっても全員同じ部屋にいるような感覚で議論をしていました。打ち解ければ初対面とは思えない議論ができる、これが修習技術者研修会の魅力的なところです。

        和やかかつ真剣なグループディスカッションの様子(Cグループ)

4. 各グループ発表と質疑応答
休憩の後、グループディスカッションでの見解を各グループで発表しました。持ち時間は発表5分、質疑5分の合計10分です。各グループ限られた時間内で要点を上手くプレゼンテーションされていて、私もとても勉強になりました。
               発表資料の例(Aグループ)

質疑応答の時間では中里講師や阿部委員長をはじめ委員会メンバーからコメントのほか、参加者同士の質問がありました。各グループはお互いに初対面のメンバーが短時間で議論したにも関わらず、多面的な見方で見解をまとめられていて技術者に必要なコンピテンシーをカバーしたような理想的な回答でした。このレベルの高さに私は驚きました。
発表時間終了時に阿部委員長より、「参加者に皆さんは技術者として模範的な意見を発表されてよかったが、このような災害発生時には自分事として捉えるような意見が出てもよかったのではないか。」とアドバイスがありました。

5. 講評
中里講師より「想定内のことは日常においてリスクを負わないよう準備しておくこと」「想定外の場合は正解がないため覚悟をもって対処すること」とご講評をいただきました。想定外と想定内は切り分けて考えることの大切さが私にはとても印象的でした。
                中里講師によるご講評

6. 閉会挨拶
片岡副委員長より閉会挨拶をいただきました。「これまでやってきた業務が災害時にどのように機能するか考えさせられた。日常の業務を通じてBCPを考える必要があると感じた。参加者の皆さんもぜひ実践で活かしてほしい。」とのお話がありました。
              片岡副委員長より閉会挨拶

                                    以   上
修習技術者支援委員会 委員補佐 葛西 正浩