2022年3月度修習技術者発表研究会 開催報告

みなさん、こんにちは。
修習技術者支援委員会 委員補佐の葛西です。
3月12日(土)修習技術者支援委員会研修会終了後、修習技術者発表研究会を開催しました。

1.開催にあたり
修習技術者支援委員会髙橋委員の司会により、発表研究会が始まりました。
髙橋委員から、技術者として必要な資質能力(コンピテンシー)の紹介があり、技術士、修習技術者として常に念頭において活動することが前提であると説明がありました。この資質能力(コンピテンシー)のご説明には、私も改めて聞き入ってしまいました。

2.朝河様の発表
朝河様の発表テーマは「表面技術者の立場から考えるSDGs活動について」です。
                朝河様の発表テーマ

朝河様は表面技術者の立場で、今回のテーマ「生産性のコスト削減との※GHG排出量削減の両立」を発表していただきました。この二つは一度には両立できずトレードオフ事項としてとらえ、優先順位を考慮しながら、その解決策を説明していただきました。グリーン電力は一時的に高くなるとしても将来を考えるとそのコストアップは考慮しなくても良いと考えられ、それによる一時的なコストアップは生産方法を変えるなどの対策を前例にとらわれず前向きに検討されていました。その対策にさらなるリスクを明確に説明されていて、まさに技術士として広い視野で問題点と課題を説明されていると思いました。
※注釈:GHG(温室効果ガス「GreenHouseGas」の略)

           SDGsとの関係性を明確にご説明されていました。

製造する過程では排出量を管理するためScopeの考え方が必要になります。会社での排出量Scope1、Scope2を抑制する目的で製造工程をサプライチェーン側に持っていくと、サプライチェーンの範囲であるScope3でカウントされることまで述べられ、ここでも広い視野と知識で検討された内容でした。
           排出量管理のためのScope(範囲)の考え方

SDGsは、2030年に持続可能な社会を実現すべく、地球に住む人が17のゴールに向けて取り組む目標です。日本技術士会でも推進しています。2021年技術士全国大会でも「2030年SDGs達成に向けて技術士ができること-技術士の知恵を活かす-」をメインテーマとして開催しました。詳しくは日本技術士会のホームページをご覧ください。https://www.engineer.or.jp/c_topics/008/008201.html

4.朝河様のご感想
表面技術の専門性について、分かりやすく伝えるということがまだ不足していることを実感しました。SGDsとの表面技術の繋がりを表現しようと思ったのでどれもやっているというアピールになってしまった。もっと専門外の方にも伝わるようにわかりやすく、その為にはもっと内容を絞り伝えることが大事だと思いました。自分がこれもあれもやっている。表面技術でSDGsを解決するくらいにボリュームで中くらいの内容を沢山書きましたが、相手に伝える部分にはSDGsの中の一つに表面技術で解決出来る課題がありそれをどうやったということを丁寧に1つの例示を説明しそれ以外はざっくり伝えて全体像をつかんでもらうということかなと思いました。
今回はこのような機会を頂きありがとうございました。

5.最後に
修習技術者支援委員会では、修習技術者研修会開催後に発表研究会を設けています。テーマは仕事のことでもプライベートなことでも構いません。相手にわかりやすく話ができるか力試しの場としてぜひご活用ください。

参加希望される方は、こちらまでアクセスしてください。
https://www.engineer.or.jp/c_cmt/syuusyuu/topics/003/003404.html

―以 上―
修習技術者支援委員会 委員補佐 葛西正浩