2026年度2月度修習技術者研修会 開催報告

ブログをご覧になっているみなさん。こんにちは!
2月度ブログ担当の修習技術者支援委員 一宮です。

さて、2/14(土)の研修会は、
「日常における問題に対しIPD活動として業務遂行を考える」をテーマとして、副委員長の谷本氏による講演とグループワークの構成です。会場とWebで開催し、WEB参加 7名(会員7名、非会員0名)会場参加 8名(会員8名、非会員0名)計 15名の方に参加いただきました。

司会進行は、今回をもって退任される小林委員補佐です。終始落ち着いた様子で、運営されていました。小林様にはご担当いただきまして、誠にありがとうございました。

【小林委員補佐】

 

  1. 開会挨拶

冒頭、修習技術者支援委員会の石川委員長による挨拶がありました。

今回のテーマは、基本修習課題における業務遂行能力のIP4、IP5 がメインとなる。グループワークの時間を長めに取るようにしたので、活発な討論、ご発言をして頂きたい。との挨拶でした。

【石川委員長】

  1. 研修会

2-1. 講義

【谷本副委員長】

講師:谷本 陽一氏
公益社団法人日本技術士会統括本部 修習技術者支援委員会 副委員⾧

技術士(衛生工学部門・総合技術監理部門)

2-1-1.講義1「IPD活動の概念とIP4:問題分析(定義・調査・分析/真因の抽出)」

13:20-13:50

問題分析とは、複合的な問題を“解ける形”にすること。問題を定義し、調査・分析を経て、真因(根拠を含む)を示すまでの道筋です。真因を抽出するためには、起きた事象や表面的な原因に留まるのではなく、なぜなぜ分析を行い、背景にある根本的な原因を特定することが肝要です。

2-1-2. 講義2「IP5:解決策のデザインと立案(多角的視点とステークホルダー)」

13:50-14:00

複合的な問題に対して、解決策を“実行できる形”にすること。解決策の策定には、多角的視点とステークホルダーを意識して、実行可能な形を示すことが重要です。具体的には、WBSやKPIなどを用いて小さなタスクに分解・整理・実行し、実行後の評価指標を明確にします。

2-2.グループワーク

2-2-1.個人ワーク → GWⅠ(IP4):相互評価→代表選定→問題定義〜真因(根拠付き)

14:10-15:10

2-2-2.GWⅡ(IP5):複数案→比較→推奨案/WBS・KPIまで具体化

15:20-16:20

オンライン参加組3班と現地参加組3班の合計6班編成として、グループワークを行いました。会社内部の機密に触れる事項は避け、事象を一般化して検討しました。

【グループワークの状況】

2-3.発表

オンライン及び会場の班ごとに発表と質疑を行いました。以下、各班の発表内容のまとめです。

2-3-1.A班(オンライン)

問 題:工事現場で事後が多発している

真 因:作業員の安全意識が欠如している

根 拠:作業員に正常性バイアスが掛かっている

解決策:作業員が楽しく安全意識を保てる“仕掛け”をする

リスク:コストが増加する

K  P  I:コスト増加を+30%以内に抑える

【A班の発表状況】

2-3-2.B班(オンライン)

問 題:信号機LED表示部の故障による交通事故を懸念

真 因:製品の検査方法に問題がある

根 拠:電圧変化など実運用に即した検査方法となっていない

解決策:検査標準書の見直しを行う

リスク:長納期化とコストアップ

K  P  I:不具合ゼロ、検査時間増を+10%以内に抑える

【B班の発表状況】

2-3-3.C班(オンライン)

問 題:業務負荷が高く残業時間が多い

真 因:グループ内での情報共有ができていない

根 拠:グループのスケジュール管理が出来ず、緊急業務に翻弄される

解決策:関連部門の要求事項を整理し、手順書を作成する

リスク:手順が未定着となる。また、緊急度の高い業務にひっ迫される

K  P  I:残業時間数と月次での改善状況を確認する

【C班の発表状況】

2-3-4.E班(会場)

問 題:業務時間が長いため、技術士2次試験の勉強時間が確保できない

真 因:情報共有ができていない

根 拠:情報共有の仕組みがない

解決策:週報を作り、情報共有することで、負荷の見える化を図り、平準化する

リスク:情報漏れ、週報作りに伴う負荷の増加

K  P  I:勤務時間の減少を把握、勉強時間数の確認

【E班の発表状況】

 

2-3-4.F班(会場)

 問 題:若手の教育方法が分からない

真 因:個人レベルにあった指導ができていない

根 拠:コミュニケーションが届いていない

解決策:大学と連携し、人材育成カリキュラムを作成する。また、リスキリングプログ

ラムを開発する

リスク:現場と大学との間で乖離が発生する。先生の異動や若手の離職がある

K  P  I:業務に掛かった時間と手戻りを3割短縮する

【F班の発表状況】

 

2-3-6.G班(会場)

 問 題:納期通りに仕事が終わらない

真 因:若手の仕事ぶりに応じた、ベテラン層による指導機会がない

根 拠:業務多忙により、ベテランと若手が別々の業務に従事している

解決策:タスクの割り振りをグループ単位とする。2人以上で複数のタスクを担当する

ことで、若手を直接指導する

リスク:ベテランと若手の相性が合わない。若手がベテラン頼りになる

K  P  I:若手向けマニュアルの充足、若手の業務時間縮減を確認する

【G班の発表状況】

 

2-4.まとめ

 谷本講師によるまとめ

・本日のセミナーを踏まえて、明日から、改善策を実行してほしい。

・実行するうえでは、提案書を作成し、周りを巻き込むスキルなどコミュニケーションやリーダーシップも必要となります。

・ご自身が技術士になったつもりで、行動してほしい。その行動によりコンピテンシーが身につきます。

2-5. 小林委員補佐による「日常におけるIPD活動」の紹介

題名:育児における課題抽出・解決策について

内容:奥様の育児負担軽減とご自身の技術士勉強時間確保について、「育休開始前」「育休中」「育休終了後」の3つの時間軸に分けて、問題点を抽出し、課題を設定し、解決策を実施されたことを発表頂いた。

講師講評:日常の問題についても、コンピテンシーを意識してIPD活動をされている良好事例ですね。

【小林委員補佐の育児状況】

小林委員補佐にはご発表をいただき、誠にありがとうございました。

  1. 閉会挨拶と参加者集合写真

三谷副委員長による閉会の挨拶をいただきました。

技術士試験では、IP4とIP5が非常に重要視されている。修習技術者としてIPD活動する中で、これらのコンピテンシーを身につけて欲しい。との挨拶でした。

【三谷副委員長】

【参加者集合写真】

  1. 研修会終了後の情報交換会の様子

研修会終了後、現地参加者は居酒屋に場所を移して情報交換会を行いました。また、WEB参加者にもオンラインで出席いただき、ハイブリッド開催となりました。ブログをご覧の皆様にも楽しさが伝わればと思います。

【現地情報交流会】

  1. 所感

今回の研修会で体験した、「IP4問題分析」から「IP5解決策のデザイン」をスムーズにつなげるワークは、論理的思考能力の強化に非常に役立ちます。日常に起こる、ささいな困りごとについても、このロジックを活用して、提案してみてください。きっと、提案を受けられた方から「すごいね!」と称賛されることでしょう。この成功体験は、モチベーションをあげ、他の技術士コンピテンシーの習得にも波及していきます。

ブログをご覧になっている皆さまもぜひ、次回の研修会にご参加ください!!

(修習技術者支援委員会 委員 一宮 礼人)